忘れない歌

忘れない歌

解説

タイトル:忘れない歌
制作年:2016年
分数:35分 南部小学校(9分19秒) 丁未小学校(8分23秒)夕張小学校(9分48秒)清水沢小学校(7分47秒)
制作者名:菊池史子
言語:日本語

 

かつては人口11万人を超えた夕張市。現在は8000人台となったこの街で失われていったありし日の姿と人々の記憶を、「校歌」を切り口に発掘を試みたのが、ドイツ在住の若手芸術家菊池史子。夕張市内の小学校は現在1校だけ。28校が歴史の中で消えていった。それらの校歌を、草むした跡地の映像、そして、その学校で過ごした人が語る思い出とともに作品化をするのが菊池の狙い。今回は取材・編集を終えた4校分を上映する。

菊池と夕張との出会いは昨年3月。札幌で開かれた芸術ワークショップに参加した際に足を伸ばした旧夕張小で同小の前身、夕張第一小の校歌を知った。「肩組み合わせて かがやく山は 国の力を 生み出す山だ」。石炭が黒ダイヤと呼ばれ「国の力」だった時代、炭鉱街の誇りを感じさせる歌詞が、菊池の心に火を付けた。

菊池は以前から「校歌で何らかの作品を」との思いを温めていた。世界各地の出身者が集まるドイツの大学での雑談から「米国やアジアの小学校には校歌があるのに、ヨーロッパにはほとんど存在しない」と知ったからだ。

菊池は昨年秋、夕張市が旧炭鉱住宅を改装して開設した「清水沢コミュニティーゲート」(運営・一般社団法人清水沢プロジェクト)に滞在。清水沢小(閉校2011年)、丁未小(同1975年)、南部小(同1990年)、夕張小(同2011年)の卒業生にインタビューした。澄んだ声で歌う女性は94歳。「小学3年生のときに校歌ができたの。うれしくて毎日歌ったのよ」と語る。78歳の元炭鉱マンは「オギャーと生まれたときから一心同体。仲間意識が強いんだ」。

菊池は語る。「お借りした物語を、ちゃんと編集できたのか、緊張する」。そして、いずれは夕張に再訪し、残る24校の制作を続けるつもりという。

 

 

監督プロフィール

監督:菊池史子

1986年、上川管内東神楽町出身。旭川の高校を経て日大芸術学部美術学科(東京)で版画を専攻。2012年からドイツ・ブラウンシュワイク美術大学に留学し、版画の一種モノタイプのほか「言葉」に注目した映像作品を手がける。

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